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案ずるまでもなく、昼休みにはいつも通りの菜幸に戻っていた。
屋上に着くと既に友助は座っていた。何故か楽しそうな顔をして。
「これから話すことはそんなに面白いのか?」
俺達も座り、弁当箱を開けながらそう聞く。
「まぁとりあえずこのプリントを見てくれ」
「斉藤君は昼ご飯食べないの?」
「俺はいつも通りパパッとね」
友助はいつもカロリーメイトとかで済ましている。少食らしい。
とりあえずプリントを受け取り目を通す。
「……北欧神話?」
どこぞの国の神さまのお話が書いてある。でも全然聞いたことが無いし、多分マイナーな伝承なのだろう。
「こっちは日本のね」
菜幸のプリントにも神話が書かれているらしい。
知らない名前の神さまだし、特にストーリーが面白いわけでもない。とある神さまが化け物を倒すだけだ、ただ……
「この化け物は繭から生まれたらしいな」
「こっちは神さまが繭から生まれてるわ」
もしかしてこの本やらプリントやらには
「全部繭に関する神話が書かれているのか?」
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