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「その通り、ネットや図書館で古今東西のあらゆる伝承を調べたところ、意外にも繭から生まれたという神や怪物の話が沢山乗っているんだよ」
ふむ、確かに友助が持っている資料の量はそう少なくない。
「作り話じゃ無いのか?」
「神話について作り話かどうか話すのはナンセンスだろう、それに俺も別に丸々事実だとは思っていない」
ん、じゃあどういうことだ?
「昔から神話になる程に出現していて、尚且つあの繭にはそれ程の影響力があるかもしれない、という話でしょう?」
よく分かっていない俺の代わりに菜幸がそう答える。
「そういう事、加えて神話では神にも怪物にもなっている。 これはあの繭は相当繊細で危険な代物かもしれない」
友助はそう言うが、俺は今一納得出来ない。神話を殆ど信じていないというのもあるが、ユーを見ていると危険という言葉はどうにも繋がらない。
「何だ、納得いかないような顔をしているな。 まぁあくまでこれは仮説の一つだ、調べた結果思った以上の量が出たから話したかっただけだよ」
ただ、と友助は付け加える。
「あれは普通の生き物じゃなく、危険な可能性もあるってことは忘れないでくれ」
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