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あれ、か……確かに友助がユーと過ごした時間はそこまで多くないけども、今の俺にはユーは人間としか思えない。
「まぁ、気をつけるにこしたことは無いよな」
ふと横を見ると菜幸はまだ何か考えているようだった。
「どうした?」
「いや、神話云々はともかくとしてその繭が世界にたった一つとは私も思えない。 ならどこかにその繭を研究している人もいるのかなって」
なるほど、それは確かに同感だ。あんな未知の塊、研究されてない筈がない。というか待てよ?
「もし昔からあるなら何で世間に知られてないんだ?」
そう言うと友助は何を分かりきった事を、というような顔で言ってきた。
「神話になるほど危険かもしれないものをおおっぴらに公表できるわけないだろう?」
うーん、もし仮に今言っている事が合っているならそうだろうけど……
「そうだ、菜幸のお母さんって研究職だろ? また今度聞いてみてくれよ、何か知っていないか」
そう、そのため家に帰ってこれない時もあり、俺の家に預けられていた。
「いいけど……秘密のことなら教えてくれないんじゃない?」
「まぁ、その時はその時だろ」
やってみなけりゃ何も分からん。
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