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その後は特別語ることも無く、昼休みは終わった。
学校の帰りには白石さんは着いてこなかった、というか全く逆方向へと向かっていた。余計に何故朝は来ていたのか不思議に思う。
× × × × ×
「たっだいまー」
「パパお散歩行こー!」
えぇー……、帰ってきたばかりだよ?
母さんに視線を向けると、困ったような顔をしている。
「昼間からずっと言っててね、行ってあげたら?」
「何で母さんと行かなかったの? 別に用事も無かっただろ?」
そう聞くと母さんはピシッと固まり、やがて拗ねたような声でこう言った。
「…………パパがいいって」
ユー……、いや嫌ってるわけじゃないはずだ。
「バーバも優しいぞ」
そうユーに声をかける。
「バーバも大好きだよ! でもパパと一緒に行きたい!」
そう言われたらもう何も言えない、母さんも複雑そうな顔で言う。
「行ってあげなさい」
荷物だけ置いて夕暮れ前の町にレッツゴーだ。
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