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そもそも格闘技などを使われたら、本当に為す術がない。 こっちはただの高校生だ。
そう思っているとその女は白石さんの後ろに立ち……
……その拳で白石さんの体を貫いた。
「!?」
「ひっ」
ユーが恐怖で俺の手を強く握りしめる。 どういうことだ、仲間じゃないのか?
俺達の反応とは逆に、白石さんは驚いた様子が無い。 いつもと変わらない微笑みを浮かべている。
その次の瞬間、白石さんの体が銀色に輝きだした。 そして見る間に光の粒子へと変わっていき……最後には女の『銀色』に輝く右の手甲だけが残った。
「どういう、ことだ?」
ユーが生まれた時からファンタジーな出来事は認めている、しかしこれはあまりに理解の範疇を超えていた。
「ん、本当にこれの力を全く知らないの? 君ペットでも飼ってるつもりだったのかなー?」
笑いながらそう言ってくる。
「ま、これで繭の力を私は使えるってことだよ」
女はその手を銀と緑に輝かせている。
まともに向かっていってもこの場を切り抜けられる気が全くしない。
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