4.襲われる少年

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ガシッと女の足首を掴む。 「……ユ…ゥ………逃げ………」 「……驚いた、まだ動けるんだ? 銀の粒子の力なのか、この子の根性なのやら」 そう声がした次にはまた顔に、先ほどよりも重い拳が叩き込まれた。 「パパッ!? やめてよ! いじめないで!」 既に前は見えない、音も殆ど聞こえない。 思考も回らないがそれでもこの手だけは離せない。 「そんなボロボロなのによくここまで強く握ることができるね、君」 呆れたようにそう言う。 「まったく、後処理が面倒だってのに……死んじゃっても恨まないでよ!」 今度は連続で叩き込まれる。 「やめてよ! やめてってば! 死んじゃうよ!」 頭だけでなく全身、腕、足、胸、腹、余すところなく押し潰される。 「やめて……、やめてよぅ……」 もはや体は殴られているのかどうかすら分からないが、それでも確かに握った手の感触だけは分かる。 「……グス…………ヒック………」 「……ホント、どうなってんのコレ? いくら『銀色』とはいえそこまで体力に特化してるはずもないし……」
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