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いい加減に殴り疲れたのか、少しの間殴打が止まる。
「さすがにそろそろ終わらせるよ」
前は見えない。
しかし強い銀色の光が輝いている事だけは分かる。
「ここまで粘った根性は褒めてあげ……る?」
既に意識は途切れかけていた。
落ちていく思考の中で最後に、一際強い銀色の光を浴びた気がする。
……ただそれは、どこか温もりを感じる光だった――
× × × × ×
――冗談じゃない、ここまで気分の悪い任務になるなんて
いつもなら『緑色』の力だけ、そうでなくとも一度殴ればすぐに倒れてくれた。
その為の技術も身に付けたのだ。
それが何だ、抵抗する力も無いくせに気力だけはゾンビのようにある。
動けない一般人をここまで徹底的に痛め付けては、明日の寝覚めが悪くなるではないか。
「さすがにそろそろ終わらせるよ」
『銀色』の力を更に強める。
ここまで威力を上げては本当に死ぬかもしれないが、手加減して殴り続けてはいつまでも気絶してくれそうにない。
ここはこの子の身体強化を見込んで意識を刈り取るのが優しさだろう。
それで死んでも私の知るところではない、警告はしたのだ。
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