4.襲われる少年

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「ここまで粘った根性は褒めてあげ……る?」 拳を振り下ろそうとした直前、背後から強い光を感じる。 そうだ、この子が何も知らなかった上に、あまりに行動を起こさなかったために忘れていた。 嫌というほど分かっているはずではないか。 繭は全て……化け物なのだと。 振り返るとそこには全身を銀色に強く輝かせた、捕獲対象が立っていた。 「……よくもパパを……許さない」 まるで人間のように話す。その言動が無性に感に触った。 「繭に父親なんて、いないでしょうが」 いつのまにか足を掴んでいた手は離れていた。 殴らなくてもすぐに気絶していたのか、殴っていれば確実に死んでいただろう。 (……後はこの繭の捕獲だけ) 右の手甲にはまだ『空き』がある、この為に随分と高性能な物を支給してもらった。 相手の能力は未知数、油断は出来ないが…… (先手必勝!) 何かする前に仕留めてしまえばいい。 全力で駆け出し、捕獲対象に鋭い拳を打ち込む。 こちらは一撃をいれたらそれだけで問題ない、それさえ出来ればこの手甲型の『媒介器』に繭を捕獲できる。
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