4.襲われる少年

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死なない、それどころか外傷が治ってきている。 もはや私の知ってきたこととは全く別物だ。 ――頭がクラクラする あの少年の指先がピクリと動く。 本能が告げる。 ――あれは起こしてはいけない すぐさま近づき手加減無しの拳を放った。 が、掴まれる。 うつ伏せの状態から上半身のみを振り返らせ、片手で、しっかりと握りしめられた。 あり得ない、こんな体勢で受け止められるほど軽いパンチをしたつもりはない。 しかし現実に自分の拳は受け止められてしまっている。 あまりの驚愕に呆然としてしまった間に、少年は立ち上がってしまう。 その目を見て背筋が凍る。 『銀色』に光るその目は、確かに私に対しての殺意が表れていた。 先ほどまでとは完全に別物だ。 少年は無言で私を掴んでいない方の手を振りかぶる。 私も左手で反撃……駄目だ、掴まれてる右手で分かる、びくともしないだろう。 放たれた拳は顔を狙っているため、咄嗟に左手で庇う。 メシリ、という音が聞こえたかと思えば体が遥か後方に吹き飛ばされた。 「…クッ!?」 あまりの衝撃に受け身をとることも出来ず、道路に叩きつけられる。
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