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なぜか名前にこだわっている、いやそれよりも治せるというのか。
【今まではS4なんて呼ばれ方だったものですから。 治そうと思うなら、彼女をこの手で触ってさえくれれば大丈夫ですよ】
当然のように思考の中の言葉に返事をしてくる。 その言葉に従い、倒れている女に触れた。
すると今までよりも手甲の輝きが増し、女の傷が徐々に治り始める。
その最中にまた声をかけられる。
【生かしておいても良いことありませんよ? むしろ今回のことを報告されて今度こそ貴方達が殺されるかも】
「俺達が何に狙われているのか、そもそもどういう状況なのかも分からない、それを聞き出せるかもしれないってだけで十分価値はある」
【話すとは思えませんけどねー】
俺はそれに、と続ける。
「今までは少なくとも日常を過ごしてたんだ、簡単に死にそうな人を見捨てられるかよ」
少しの間、白石さんからは何の反応も返ってこなかった。しかし――
【ぷっ、くふふ、い、今のあなたなら本当に凛々しいお顔と、す、全てを包み込む……ぷふっ…温かい雰囲気がありますね】
そんな馬鹿にしきった事を言ってきた。
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