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家に帰るまでは阻害の効果がまだ効いていたのか、誰とも出くわすことは無かった。
家に入ると母さんには大層驚かれたが、それは血塗れの事実にでは無く俺の担いでいるものが等身大のぬいぐるみに見えたからだそうだ。
とりあえず俺の部屋へと入り一息つき、女を床に寝かせる。 手甲も外した。
「……っあー、疲れた」
疲れたどころでは無い、出来るならこのままベッドに倒れこみ寝てしまいたいが、まだやることが残っている。
まずは着替えと風呂だ。この服はそのまま洗濯に出すわけにもいかないので、後でコインランドリーにでも持っていこう。
先に俺が風呂に入って、女は軽く拭くぐらいで――
「パパ」
服の端をちょんと引っ張られる。
「どうした?」
「ユーも一緒にお風呂入る」
あぁー……、まぁ、うん、見た目はまんま六歳だし、実質生後3日だし、仕方ないか。
血塗れの姿を見られるわけにはいかないので、緑の手甲だけを持ち風呂場へと行った。
脱いだ着替えは部屋から持ってきた紙袋へと入れておく。
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