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そんなある日の昼休みだった。
既にお弁当は片付け、
窓の外を見ると、大粒の牡丹雪が勢いよく降っていた。
帰りはまた積もってるのかと、
曇ったガラス越しに少々嫌気がさしていた時だった。
「鈴ちゃん!!」
暖房のために締め切った教室のドアを勢いよく開けて哲くんが入ってきた。
哲くんはそのままぐんぐん私の席までやってきて、
前の席の椅子に反対向きに座ると私に顔を近づけた。
「な、何?」
思わずのけ反る私に哲くんは距離を詰め直した。
「純也、別れたんだって」
返事をしない私に哲くんは自分から言葉を繋げた。
「チャンス、あるかもよ?」と。
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