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昨日――――、
桜井さんが私に好きだと言ってくれたその後に、
彼はこう付け足した。
「鈴ちゃんが純也を好きなのは知ってた。ずっと鈴ちゃんのこと見てきたんだから。でも、自分の気持ちを言わないまま、離れたくなかったんだ。……今は純也のこと好きなままでいいから、俺と付き合えないかな?」
信じられなかった。
桜井さんが私をずっと想っててくれていたことも。
私の気持ちに気付いていたことも。
そんな言葉をくれることも。
でも、
純也さんに気持ちがありながら桜井さんと付き合う。
……そんな器用なことは出来そうになかった。
桜井さんの目は真剣そのものだった。
だからこそ……
「……ごめんなさい」
私の言葉に桜井さんは寂しそうに笑った。
「……そっか」
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