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可憐side
「12時50分か……」
チラッと時計を確認するともうだいぶ経っちゃたよ。
ヒントがウォーキングコースだというから探しているのに全然見つからないよ。
「こんなに探しても見つからないなんて理事長も意地悪だなぁ」
ハァ……
心の中で人生最大のため息をつくけどそれで見つかるわけないし
「泣き事言っても仕方ない。卓哉とのラブリーロードのためだもん!」
と意気込んでみたものの
ぐぅ~
「//」
私のお腹からお昼を告げる鐘が鳴った。
「あはは//……卓哉がいなくてよかったよ。」
もうこんな時間だしお昼食べようかな。卓哉も流石にもう食べ終わっちゃっただろうし。
「あっ……いいところ発見。」
道端に木製のベンチが一つだけあった。
誰も居なかったから急いでそのベンチに行くと……
「ん?」
そのうしろ1m先の森の中に高さ2m程の巨大な何かが……
興味本意でそれに近づいてみると……
全身を覆うふさふさの焦げ茶色の毛
両手には10の鋭い爪
大きな口
凶暴そうな目
そして頭には少し丸い耳
「…………うそ」
私は恐怖のあまりペタリと尻餅をついてしまった。
「………ヒッ!?」
怖くて声がでない
逃げたくても震えて足が動かない
なんで……どうして………
どうしてこんなところに熊が!?
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