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卓哉side
ただ今の時刻は2:30あれから広場で遊んで今はまたコースを歩いている。
「相変わらず潤の手料理は美味しいね」
「そうか?まぁ確かに今日子さんにあれだけ習えばそれなりには上達するだろうな」
潤はこんなことを言っているが、かなり上手い。
僕の母さんはたまに料理教室を開く程の腕前で、僕と潤は「今時、男も料理ができなくてどうするのよ」と母さんに言われ、10歳の頃から母さんに習ってい潤はかなり上達した。
そう、潤は。
僕はというと美味くもなく不味くもないのを作れるぐらい。
おかげで姉さんと母さんには「無能」とよく言われた。
「潤はもう店でも出せばいいのに」
「あんなので生活できたら苦労しねぇよ」
潤……、僕からしたら君の料理はそこらのファミレスより美味しいよ……
それから暫く談笑をしていると潤が道端を見て唐突に尋ねた。
「あれ…なんだ?」
「えっ?何?どれ?」
「あのベンチの奥のでかいの……」
よく目を凝らして見ると道端のベンチの少し後ろに何か大きな影がある。
「何だろう?」
僕は好奇心に身を委ね、無警戒にも影に近づいてしまった。
そしてすぐにその愚行を後悔することになった。
「!?」
あの人形で焦げ茶の毛に鋭い爪……まさか
熊!?
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