第四章『出会った』

6/14
3030人が本棚に入れています
本棚に追加
/523ページ
俺は来ている黒いスーツと黒いロングコートを脱ぎ、川の中に入る為に裸になる。 城に居るときは、背中の傷とタトゥーを見られなくなかったから、こっそりと風呂とかに入ってたが、此処は誰も居ないから堂々と脱げる。 月明かりに照らされた俺の背中には、蒼い龍と紅い蝶のタトゥー、それと大きな傷痕が刻まれている。 嫌な記憶が蘇りそうになったので、俺は創造の力で創った銛(もり)を持って川に飛び込んだ。 ― ???視点 ふぅー………… 族長の仕事も疲れる…… 仕事を終えた"オレ"は、水浴びの為に川に来ていた。早く汗を洗い流したい。 誰も居ないなぁー…… そう思ってオレは川に入ろうとしたが、ふと、何かの気配を感じたので川の上流を見た。 そこには、人間の男が居た。 オレは疑問に思ったが、一瞬でオレは男にくぎ付けになった。 月明かりに照らされた男は、とてもかっこよく、美しく、幻想的だった。洗練された筋肉質の身体には、傷痕がいくつか刻まれており、とても野生的にも見えた。 男はすぐに、川の中に飛び込んで行ったが、オレはしばらく動けないでいた。 これがオレと"あいつ"との出会い、初恋だった。
/523ページ

最初のコメントを投稿しよう!