プロローグ

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 はぁ…皆さん…もう疲れたような顔をしていますね。難しいことを考えるのは、疲れますからね。…分かりました。いいでしょう。講義の持ち時間にも限りがあるので、ここからは私が解説することにしますね。  人類の肉体は細胞によって構成されています。非常に単純に言えば「細胞が傷ついて壊れていく」…これが蓄積し、頻度が増えていくことが「老化」だと言えるでしょう。アナタたちがお風呂で洗い流している「垢」。簡単に言えば、あれが死んでしまった細胞の末路です。  生まれて、子どもから大人へと成長していく段階でも、細胞は頻繁に傷つき壊れます。 「新陳代謝」という言葉を聞いたことがあるでしょう?…体が成長していくためには、古い細胞が壊れて場所を空けてくれないと…新しい細胞の入り込む場所がありません。大人のように体の大きさが固定されてからは…それでも良いかもしれませんが…子どもの場合、それでは大きくなることができませんね。  え?…古い細胞が…そのまま大きくなればよい?…なるほど。脂肪細胞はそうですね。  うん?…子どもと大人では細胞の数が違う?…別に壊れなくても増えていくだけで良い?…う~ん。そうなんですけど…ある時点で「子ども」という一つの生物として成り立っている状態に、細胞がどう増えて大人になるのか…については、一度、よく勉強してみて下さい。ここで、その話をすると…ちょっと長くなりますし、本題から逸れ過ぎてしまいますので…とにかく、ここでは大人より子ども、子どもより赤ちゃんは…成長のためにより激しく新陳代謝を繰り返している…即ち…細胞は死に、そして細胞分裂により入れ替わりながら増えていく…それを事実として受け止めて下さい。 ・・・
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