前書き

3/36
前へ
/40ページ
次へ
「ねぇねぇ知ってる?」 「なにがー?」 「噂で聞いた話なんだけどね、テレビのカラーバーあるじゃん、たまーーーーにあの画面見てたらなんか変な番組が映るんだって!」 「変な番組?なにそれー」 「わかんない!私見たこと無いしー」 ──某高校の昼休みはそんな話題でにぎわっていた。 ある意味高校生らしい話題だとは思う。 誰でも都市伝説に興味はあるはずだ。 でもそれは確認できない、あくまで噂の話であるからこそ誰かがおもしろ半分で広がらせたりする事があったりもする。 そして、やはりここにも今時の高校生らしく噂には目が無い少年が1人いた。 「ねぇ、なんの話?」 彼の名前は三浦光輝【みうら こうき】。 彼はクラス人気者でなければ、リーダー的な存在でもない普通の男子高校生。 普通に勉強して、普通に恋愛をして、普通に遊ぶ、普通の高校生なのだ。 「都市伝説だよ!都市伝説」 1人の女生徒が答える。 「都市伝説?」 「そ!テレビのカラーバーあるじゃん、あの画面にねなんか偶に変な番組やるんだって!」 「変な番組?」 「噂だと、放送料未納の人の名前だけが出てくるらしいよ?」 そう1人の女生徒が答える。 「名前だけが?深夜に?それも放送終了したチャンネルで?」 なんとも不気味な話だった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加