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「いったーい!何すんのよ?」
「ばか!ここには合格祈願に来たんだろうが。何邪な願い事してんだよ!」
美羽は現在中学三年生。先日受験を終え、今はその発表待ちなのだ。
合格祈願をしたいとせがまれ、面倒だと思いながらも、しつこい妹に負けてイヤイヤ出てきたのだ。
「あ、あたし、口に出してた?」
「かなりでかい声でな。」
「い、いいんだもん!合格祈願はちゃんとあっちの神社でしてきたもん!」
実はここに来る前に、家から車で一時間ほどの場所にある学業成就の神社にも行ってきたのだが、ついでにと帰りにここに立ち寄ったのだ。
「それより、お兄ちゃん、あっちでもこっちでもちゃんとお願い事してくれなかったでしょ?かわいい妹が志望校落ちてもいいの?」
かわいいの部分をやたらと強調しながら、美羽は反逆してきた。
「お前がうるさいから連れてきてやっただけだよ。第一、きちんと勉強して実力さえつければ神頼みなんか必要ないだろ?神様がどうにかしてくれるんじゃない。お前が頑張ったかどうかで結果が決まるんだ。」
そう言うと、美羽はぶうっと頬っぺたを膨らませて黙りこんだ。
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