二つ上の姉(片桐先輩編)

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二つ上の姉(片桐先輩編)

 俺には二つ年上の姉がいる。  家計を支えるために身を粉にして働く頑張り屋だが、休むときはとことこん休む、良くも悪くもメリハリのある姉だ。  毎晩疲労困憊して帰ってきていた姉だったが、大きな仕事に一区切りついたらしく、社会人になって初の有給休暇を取ってきた。  その姉は今ソファーで寝転び、酒、ツマミ、クーラー、テレビと朝から贅沢を極めつつある。  俺と姉との二人暮らしは、まだまだ金銭面で苦労が絶えない。それでも、生活は日に日に豊かになってきている。  絶交状態の両親は、まさか自分たちの娘が若くして高給取りになるとは思ってもいなかっただろう。鳶が鷹を生むとは正にこのことだな。 「じゃー俺、バイト行って来るわ」 「ん、いってらっしゃい」  姉はイカを咥(くわ)えながら手だけを俺に振った。  俺の予定にまったく興味なし、といったところか。
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