俺はお前のアンデットだから・・・

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二人がそんな会話をしながら校門付近までやって来ると、 「おはようございます。 アリスさん、信夫さん」 背後から声を掛け離れ、足を止めて同時に振り返る。 そこには黒髪でショートヘアの溌剌とした少女がにこやかにこちらに向かって来る光景があった。 「おはよう、文ちゃん」 とアリスが言い、 「おお久しぶりだな、新門。 体育祭の回以来か?」 「なに言ってんですか信夫さん。 殺しますよ?」 とんでもない事を口走る信夫に、少女が微笑みながら周りに見えない様に拳銃を腹に突き付ける。 「・・・すいません」 信夫は顔を青ざめて素直に謝罪する。 少女の名前は新門 文(あらかど ふみ)。 信夫が魔王の生まれ変わりだという情報の真偽を探るべく、アリス同様に異世界からやって来た情報屋だ。 現在進行形で信夫やアリスの通う黒十字学園高校に通学し、新聞部に入部している。 文とは違うクラスなので、適当な場所で分かれて二人は2年D組と書かれたプレートの下のドアを潜る。 もう高校三年生と言っても、今日は始業式。 まだ正式なクラス分けはされていないのだ。 信夫は特に誰かと挨拶する訳でもなくさっさと自分の席に着き、一息つく。
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