夕暮れ帰り道

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私は空を見上げた。 空は表情こそ変わるけど、いつもそこに確かにいる。 そのことが私を支えていた。 学校でどれほど辛いことがあっても、空を見上げれば私は耐えられる。 「どうしてこんなこともできないんだろ」 「あの子が話聞いてても、どうせ話す友達いないでしょ」 「あの子と組まされる子がかわいそう」 大丈夫。私は別にいじめられているわけじゃない。 彼女だって悪気があるわけじゃない。ただ、思ったことを言ってしまうだけ。そして私が勝手に傷ついているだけ。私が傷つくってことを彼女は知らずにいるだけ。 私が負けないように強くなればいい。 夕焼けなんて、久しぶりに見る気がする。最近日が暮れるまで学校にいることが多かったから。 教室が夕日に染まる瞬間はとても綺麗だし、それはそれで好きなんだけど、やっぱり私は空を見上げる方が好きだなぁ。 苦しくなんて、辛くなんかない。 私はとっても恵まれてる。 家族円満だし、彼女はああいったけど、友達もいる。 好きなことに没頭できる環境もそろってる。 私は幸せだから大丈夫。 私は強い。 日が沈んでいく。 夕焼け空は、夜の闇色と夕日のピンク色が混じり合った独特の雰囲気が好き。 背景は深い藍色なのに、雲だけがオレンジがかったピンク色で。赤い夕日から濃い闇色へグラデーション。 夕焼けにはなにか、人をひきつけるものがあるんだろうな。 夕日はあっという間に沈んでしまった。 魔物がでるという黄昏時。 そして夜になり、明日が来る。
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