序体 Rapuanleta ~ ラプァンレタ ~

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“少年”の姿は首から下しか見えず、顔は(もや)にかかったようで、その少年には思い出せなかった。 ただ、“恋”という名は頭にあるが、後は全て、頭の中からまるで水に流されたように、風に吹き飛ばされたようにしてすっぽりと抜けていた。 その少年は、“少年”のことを覚えてはいなかった。 “少年”が名を呼ぶ、●と。 だがしかし、その少年の耳にはその名さえも聞こえることはなかった。 『●、 お前のラプァンレタは…』 ──ラプァン…、レタ、 『──ミストルァルタ ミストルァルタだ…っ!』 ──ミスト、ルァルタ…、
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