ドリンクバー

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ドリンクバー

「ねぇねぇアキタン!!」 「なになにハルタン!!」 「ドリンクバーって知ってる?」 「もちろん知っている」 「ドリンクバーってジュースを色々混ぜてみたくなったりしない?」 「しないな」 「でしょー❗それでね、わたし思ったの。ドリンクバーで一番完成された組み合わせってなにかなって!!」 「ほう、それで?」 「一緒に考えてほしいの❗」 「よし、いいだろう。そうだな、コーンスープとアメリカンコーヒーはどうだ!?」 「まずそう🎵」 「水と水はどうだ!?」 「水だね🎵」 「では水と氷は!?」 「氷水だね♪」 「だったら氷と茶葉はどうだ!?」 「えーーー❗なんかそれ美味しそう🎵」 「そうだろ!?キンキンに冷えた氷に紅茶の茶葉を振りかけ、グラスに飾って最後に砂糖の雪を降らせるのだ」 「うんうんアキタン。一口食せば紅茶茶葉の香りが口全体に広がり、ほろ苦さと同時に極上の甘味が舌を撫でまわす。かと思えば美しき氷が顔をのぞかせ、口と喉をひんやり冷たい清涼感のオンパレードで迎え入れられる!!非の打ちどころのない最高級フルコースだよね?」 「ああ、全くその通りだ。しかし何か物足りないな」 「うんうん何か物足りないよね❗」 「そうなのだ‼これまでは紅茶茶葉や砂糖や氷や水やのと提案してきた。それはそれで構わないのだが、思い返せば決定的なあれが抜けているではないか❗❗」 「あれ?あれとはなんなの!?なにを入れ忘れたの!?」 「聞かなくとも分かっているはずだ!!」 「わかりません!!」 「そうか❗ 「それなら仕方ないな。俺が天下逸品という名のミラクルをご披露いたそう。ただ一つだけ用意しなければならない代物があるのだ」 「用意するもの?なになに!?用意するものってなに!?」 「うん、それはザルだ!!」 「ザル!?どこにそんなものあるの?」 「ほら、お茶のコーナーにきゅうすと一緒に置いてあるだろ!!」 「あ~もしかして茶漉[ちゃこ]し!?」 「その通りだ!!」 「それをどう使うの!?そして抜けていた決定的なあれとはなに!?」 「聞けハルタン‼抜けていた決定的なあれとは氷や水に並んで必ず置いてある『お湯』だ‼砂糖と茶葉が降り積もる清らかなる氷にだ!!そのお湯を許される限りぶっかけ、天より授かった究極の茶漉しに通して完成だーーーーー‼‼‼」 「きゃーーースゴい、凄すぎるよアキタン‼色々色々色々したあげくにただの普通の紅茶になっちゃたーーー‼」
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