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テーブルに顔を強打しながら一人言を言っていたせいで朝から大家さんに
「うるせぇークソっ」
とスリッパ顔面にぶちこまれてしまった。
それを心配した隣の住人
河原那津♂(20)が玄関から「何事っ!?」と叫びながら助けに来てくれた。
「大丈夫っ朔くん?」
「あぁ…那津さん。おはよ。」
「うん、おはよ……じゃなくて!顔…ケガしてない?朔くんの美形が!」
なぜそこで美形を
強調するんだかこの人は…
人の顔見て目ーきらきらと。
「ははっ…平気だから。」
「そっか…本当によかったぁぁ…………………………っって…ぅわぁぁぁ台所の火つけっぱなしだぁ!どぉしよ…どっし…消火器ーー。」
「火事になっちゃう!どぉしよーっ皆さん逃げてくださぁい。僕を捨てて逃げてくれ。」
うっわぁ…那津さんのドジ馬鹿?いや天然か?
今日も始まったぁ…。
まぁ面白いからいいんですけども……知識猿以下なのかな?
「いや…ね?那津さん。そんな慌てなくても…まだ煙すら出てないよ。」
「落ち着いて…。」
「だって…だって。みんな俺のせいで燃え尽きちまうんだぜ…フッ。」
いかにも聞いたことある有名な漫画に似たセリフ言っちゃってるんですけど。
何だ…?最後のフッ…って
あれかっこつけかな?
かっこつけには見えない不気味な笑みだったぞ?
あれで100人は人を殺せますよ。
「名津さん怖ぇー…」
「んぅー?何か言ったぁ朔くん?」
「あっ…何でもないです。じゃ…俺そろそろ時間なんで学校行ってきます!」
玄関から鞄を取り俺は名津さんに
「行って来ます!」と言った。
名津さんは階段の上から
「行ってらっしゃぁい。」って手を振ってくれた。
そして、俺の何気ない暮らしが今日も始まる…。
予定だった…あの時までは。
あのおかしな双子が現れなかったら…。
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