229人が本棚に入れています
本棚に追加
†葉瑠side†
「んん…」
…なんか…苦しい…。
あたしはぼんやりと重い瞼を開いた。
「あ…起きた?」
「……」
暗闇に映る見知らぬ人影。
ベッドで眠っていたあたしの体に馬乗りしている男は小さく笑った。
……誰!?
「きゃっ…んぐ!!」
不審者だと思い声をあげようとしたら男により口を塞がれてしまった。
何…!?
強姦!? 強盗!?
それとも……!
あたしはもがきながら見知らぬ男を睨んだ。
「…そんな目で見られてもね…」
「んっ…!!」
男は面白そうに笑いながらあたしの体のラインを片手でなぞる。
嫌…!!
なんとかして助けを呼ばなきゃっ…!
あたしは得たいの知れない恐怖を感じながら必死に抵抗しようとするが、体を押さえつけられていて動くことができない。
そんなとき運よく…。
―ヴー!!
「「!」」
あたしの携帯が鳴ったのだ。
暗い部屋で携帯の画面が眩しく光を放つ。
「っ…!」
男がそれに気をとられた隙にあたしは無理矢理男を突き飛ばした。
そして玄関に走る。
逃げなきゃ…!!
「待てって」
「嫌っ…!」
男はすぐにあたしの腕を掴んで引き止めた。
最初のコメントを投稿しよう!