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「別に何もしねぇよ。まず俺の話聞けって」
男は面倒臭そうにそう言った。
誰が夜部屋に忍び込んできた強姦の言うことなんか聞くかっ!
そう思ったが次の瞬間男が言った言葉にあたしは固まった。
「俺はお前の親父…千倉 純一郎に頼まれてここまで来たんだ」
「え…?」
お父さんに……?
改めて男を見ると何か企んでいるような悪戯な表情を浮かべた。
ってゆーか…。
「ブーツ脱いでください!!」
「ああ?」
ギロッと睨まれあたしは押し黙ってしまう。
強姦じゃないようだけど…でもお父さんと知り合いって一体…。
「まぁいい。とりあえず自己紹介だ」
男は掴んでいたあたしの腕を離し ドカッとブーツを履いたままソファに座った。
全身黒っぽい服装に身を包み、被ったフードから赤っぽい茶髪が少しだけ覗いている。
細身で長身…普通に整った顔立ち。
…全く見覚えがない。
「俺は神崎理人(カンザキ リヒト)。よろしくね」
「よろしくって何ですか…」
「俺今日からここに住むから」
「……はあ!?」
久しぶりにこんなに大きく口を開いたかもしれない。
若干顎が痛い…。
ってそれより!!!
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