再会は悲鳴と供に

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「じゃあ、お先に失礼しますね。また松屋にも行きますね。あ、お勘定お願いします。」 浅葱が赤くなっているうちに総二郎は残りの甘味を早々と食べてしまい、見ている側が胸焼けを起こしそうな量の皿を残し立ち上がる。 浅葱達に蕨餅と餡蜜を持って来た若い女性が「おおきに」と頭を下げる。 ちなみに、総二郎は何故か浅葱に「さん」と言う敬称をつけて呼ぶ。 はじめて呼んだ時の浅葱の反応が面白かったかららしいが、浅葱からしたら、いくら歳が近いとはいえ武士に敬称をつけて呼ばれれば普通慌てる。 「は、はい。お待ちしております。」 浅葱は真っ赤なまま頭を下げる。 総二郎はそれを見てクスリと笑うと「叶わぬ事ではなさそうですから、頑張ってくださいね。」と浅葱の耳元で囁くと懐からお代を取り出し、机の上に置くと出て行った。 <ヘェ~…おなご侍、なかなかわかってるネェ> 白夜が何か感心したように言う。浅葱は疑問符を頭の上に浮かべてから蕨餅を一つ手にとった。 何とも野暮な浅葱に白夜はヤレヤレとため息をつくと、再びあくびをして本格的に寝る体制に入った。
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