如月桜が燃え、総次郎は実はすごい人である。

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佐之助のしれっとした態度に浅葱はため息を着く。 「陰陽師って確か念増幅とかできましたよね?」 <あー…確かに出来そうだよな、呪術の発展番みたいな感じで。> 「だったら何が渡ってもおんなじじゃないですか。」 「だけどなぁ…あの念だが、俺の見たてによりゃあそんなに危険じゃねぇぜ?お菊みたいに怨念と言う感じゃなくて、うーん…塗り壁みたいな?無害な感じだぜ?」 <だからさっさと払えば問題ないのにほっとくから。> 首を捻る佐之助に木花知流姫が呆れたように言う。 <ガハハ、なんだぁ?佐之ー、またやらかしたのかぁ?> 子分の鬼と狐狸類を川に投げ込み終わった酒呑童子が話に混ざる。狐狸と河伯はと言うと、河原に散らばった杯やら酒瓶を回収している。 <誰がもう終わりだといいました??酒呑童子!最後までやりなさい!> そして案の定河伯母さんの雷が落ちた。 <は、はい只今参ります!> 豪快な性格の酒呑童子が普段は日に焼けて赤い部類に入る顔をまるで青鬼のように青くしていそいそと河伯の元に走っていく。 <馬鹿鬼は置いといて、なんで佐之助を襲ったのかってとこが謎だな。偶然にしちゃあ、出来過ぎだ。> 白夜はそう言うと空を見上げる。 そして、「あ」に濁点がついたような声を上げる。 「どうしたんだ?」 <いや、あれ…空が…白んでる…。> 白夜の言葉に同じように空を見上げる浅葱。 確かに東の空の黒が青くなりはじめている。 「…寝られなかったな。」 浅葱はつぶやき、遠い目をしてしばらく空を眺める。 早起きな鳥が何羽か飛んでいく。 「……帰る。」 <急げ、浅葱。> 「えっ、ちょい俺は??」 <酒呑、木花知流、狐狸、帰りますよ。> そして河原にはずぶ濡れの佐之助だけが残された。 「えー、俺どうしようか…。」 佐之助のつぶやきに応えるように一番鶏がないた。
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