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「嫌だな……。身の回りはやはり慣れている幸が一番楽なのに………」
幸はネクタイを結び終わり
頭を下げ三歩程後ろへ下がる。
「幸も、もう年にございます。
老後はのんびり差せて下さいまし」
笑顔を見せる幸に
それ以上言葉を掛ける事が出来なかった。
まだ20歳そこそこの青い僕が
老後の事に口など挟めないから………
そして今日も忙しく修行の様な1日が始まる。
大学に進む事より
早く父の側で、仕事を覚えたかったから……
でも今はハッキリ言って
全然戦力にならない……『お坊ちゃま』
そんな風に見下されるのが嫌で
毎日秘書の立場で
父の仕事を支え勉強していた。
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