霊の誕生

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僕 名前は室井洋二。 如月高校の2年生。 成績は上の下。が、学校自体のレベルが高いので世間では頭がいい方。 運動は足が速いだけで特別できる訳でもない。 部活は帰宅部。 7月12日生まれの蟹座のA型。 特技は特になし。 僕の双子の兄 名前は室井康一。 如月工業高校の2年生。 成績はトップ。 運動神経はバツグン 部活は帰宅部。 7月12日生まれの蟹座のO型。 特技?はケンカが強い。 が、先月12日、交通事故で死亡。 僕が病院に着いた時にはすでに兄さんの息はなかった。 しかし僕は病院でも葬式でも泣くことはなかった。 なぜかって? 兄さんはいつも僕のそばにいるからだ。 えっ?心の中? いやいやそんなキレイな話じゃなくて…… 順を追って説明していこう ~1ヶ月前、3月12日~ 「はぁはぁ」 誰も通らないような路地を自転車で走る。行き先は病院だ。 「くそっ!なんで…………」 先程家に帰る途中、僕のケータイがなった。僕の兄さんが車にひかれた、と近所の病院の看護師から伝えられた。 兄さんは身元の特定できるようなものをケータイしか持っておらず、一番新しい着信履歴に電話したらしく、この事を知ったのは僕が最初だった。 急いで父さんと母さんに連絡し僕もその足で病院に向かった。兄さんが運ばれた病院は歩いて行くのは遠いが自転車ではそうでもない距離だった。 あと少し……この路地を抜ければ病院に着く…… 全力で自転車をこいだからか、それとも兄さんの事が不安なのか心臓はバクバクなっていた。 病院の自動ドアの開く遅さがもどかしく感じる。 兄さん……… 「あの……、さっき運ばれた室井康一は………」 自動ドアが開ききるのと同時に受け付けに走り、息も途切れ途切れに聞く。 「あぁ……室井さんですか。失礼ですがあなたは?」 「弟です。それで、兄さんは…?」 「………案内します」 受付の看護婦さんは気まずそうに言った。 この瞬間に僕の焦りは絶望に変わった。 看護婦さんの顔がすべてを物語っていたからだ。
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