転生できちゃったんだ

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「ついに明日はお前たちの五歳の誕生日だな。明日が楽しみだなあ。なあ、ルミナ」 「そうですわね、あなた。こんなに早く大きくなるものなんですね」 「ああ。明日の魔力測定が楽しみだよ」 「ええ」 ダーク家当主、俺の父であるルギアル・ダーク。ピザだ。本当に貴族らしい貴族だ。考え方も。体形も。 母の名は、ルミナ・ダーク。物凄く美人だ。何であんなピザと結婚したのか疑問で仕方がない。 「おとうさま!ぼく、あしたのまりょくそくてい、がんばります!」 レイが高らかに宣言した。 「おお、レイはやる気だな。期待しておるぞ。ロイはどうなんだ?」 「……」 俺はこの家でほとんど声を発していない。引っ込み思案な暗い子、という認識で定着していた。 「レイと違って、ロイは本当に静かねえ…」 「軟弱なんだ。明日、魔力測定をしたらビシバシ鍛えてもらう」 「そんな…まだ小さいのに」 「よいのだ。ダーク家に生まれた以上、これは宿命なのだから」 「それは…そうですけど」 勝手に言ってろ、ピザ。 その前に俺は捨てられるんだからな! ああ。明日が待ちきれないぜ!
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