348人が本棚に入れています
本棚に追加
「ついに明日はお前たちの五歳の誕生日だな。明日が楽しみだなあ。なあ、ルミナ」
「そうですわね、あなた。こんなに早く大きくなるものなんですね」
「ああ。明日の魔力測定が楽しみだよ」
「ええ」
ダーク家当主、俺の父であるルギアル・ダーク。ピザだ。本当に貴族らしい貴族だ。考え方も。体形も。
母の名は、ルミナ・ダーク。物凄く美人だ。何であんなピザと結婚したのか疑問で仕方がない。
「おとうさま!ぼく、あしたのまりょくそくてい、がんばります!」
レイが高らかに宣言した。
「おお、レイはやる気だな。期待しておるぞ。ロイはどうなんだ?」
「……」
俺はこの家でほとんど声を発していない。引っ込み思案な暗い子、という認識で定着していた。
「レイと違って、ロイは本当に静かねえ…」
「軟弱なんだ。明日、魔力測定をしたらビシバシ鍛えてもらう」
「そんな…まだ小さいのに」
「よいのだ。ダーク家に生まれた以上、これは宿命なのだから」
「それは…そうですけど」
勝手に言ってろ、ピザ。
その前に俺は捨てられるんだからな!
ああ。明日が待ちきれないぜ!
最初のコメントを投稿しよう!