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「二人とも元気そうですよ、よかったですね、奥さま」
「本当に……よかった……」
息も絶え絶え、といった感じで話してるのが俺の母さんだろう。二人って、もしかして俺双子か?
体をぬるま湯で洗われ、タオルに包まれた俺が寝かされたところの横には、もう一人赤子が寝ていた。
やっぱり俺双子の片割れとして生まれたようだ。ちょっと予想外。
「では私は旦那様に報告して参ります。奥さまはゆっくりお休みになっていて下さい」
「はい。お願いします」
バタン!
「生まれたか!!」
「はい。あなた。二人とも男の子です」
「それはよかった。後継ぎが生まれて本当によかった…」
「ふふ…」
後継ぎって…この家、貴族か何かか?
俺か、この横に寝てるコイツか、どっちかがなるってことだよな。
まあ俺はこの後魔盲で捨てられる予定だし、関係ねーけどな!
俺の横に寝てる奴、頑張れよ!
……なんか、眠い。
多分捨てられるのはまだ先だし……寝よ。
そして俺はしばらく眠りについた。
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