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「部長が言うならやめます」
「分かったわ。なら部長には私が話を通すわ。貴女は明日も面談よ」
「えっ…分かりました」
納得いかない様子だが、とりあえず返事だけはしておくかと言わんばかりの深沢。
私はそんな彼女をじっ、と不躾に見つめると。
その視線に気付いた彼女は一瞬怯えのような表情を見せた。
「な、何ですか」
私はその問いには答えず、ただ彼女の目から視線を外さない。
そのまま暫しの沈黙が流れた。
「も、もう、何なんですか!言いたい事があるなら言ってください!」
沈黙に耐えられなかったのか、その場に立ち上がり叫ぶように言う彼女に、私はニヤリと笑った。
その表情に、微かに肩を震わす彼女。
「ここの部長は、人徳があるようですねぇ」
「え…は、はい。皆、部長の事が好きですよ」
「それならば、貴女は部長の顔に泥を塗りたくっているという事ですね」
「え?何でですか?」
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