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「社員の不始末は部長が責任を負うのが道理です。貴女のその下品で醜い外面が世間を徘徊しくさっていると本社に知れたら、部長はどんなお叱りを受けるのでしょうね」
所々トゲを含みながら言い放つ私を、頬を引きつらせながら凝視する深沢。
「なっ…何で…部長が何で…」
こちらの言葉がどれだけ通じているのかは分からないが、何で以外の言葉を発する事は出来ないようだ。
「今までの貴女と部長がどうであったなど知った事ではありません。ただこれからは違います。私達がいる間にその下卑た醜態を改めない場合は本社に報告させていただきます」
「なっ…」
「言い訳も抗議も聞く耳はありません。改めてくるまでここで言葉を発する事は許しません。さあもう結構ですよ。退室願います」
「でもっ」
「退室願います」
有無を言わさない私の言葉に、深沢はじっと固まったままだ。何か言いたいようだが、正論をまくし立てたのだから言えるものも言えないのだろう。
私は立ち上がり、彼女の背中をそっと押した。
「邪魔です。次の方どうぞ」
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