第1章

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人遣いの粗い顎ヒゲ野郎が。 心の中で悪態をつきつつ、私は立ち上がった。 「新井さん、後はお願いします」 「分かったわ。気になった人はチェックしとく」 「お願いします」 こうして自由に動く為にも、私はサポート役になる事を決めたのだ。 再度言うが、断じて面談が面倒で嫌いだからではない。 「え、と皐月さん?」 廊下でキョロキョロと辺りを見回していると、不意に声をかけられた。 声がした方向に顔を向けると、キョトンとした表情の青年が立っていた。 先程面談をした顔だ。 「…森田君。喫煙所はどこでしょう?」 「あ、案内しますよ。俺も行く所だったので」 「ありがとうございます。お願いいたします」
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