第1章

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「分かった。深沢君には注意しておくよ」 ひとしきり笑った後にそう言った上條部長の部屋を後にした私は、深いため息を吐いた。 今回は、少々やりにくい。 言いくるめるつもりだったのだろうが、それを出来なかった上條部長はこれからどうするのか。 私達がいる間は妙な動きはしないであろう。 だが、いなくなった後が問題だ。 根本的な物を変えないと。 これはまだ、見える範疇の事だ。 あんな部長なら、まだ何か裏でやっているに違いない。 荷が重くなって来た私は、内部調査員に任せようとスマホを取り出す。 …が、すぐに辞めた。 一ヶ月。 とりあえず契約の一ヶ月は頑張ってみるか。
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