第2章

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次の日。 深沢りりあは、言われた通りに就業規則に従った風貌で出社した。 「すみませんでした」 そう言う深沢は、私に頭を深く下げた。 薄化粧に、ブラウンに抑えた髪色は、後ろで1つに束ねられ、黒のシャツとパンツスーツに身を包んでいる。 私はそれを無言で見つめた。その視線に、彼女は緊張した面持ちで俯いていた。 「ふぅん…」 彼女の目の前に立ち、またも不躾な視線を向ける私。 だがそうするのも仕方がない。今回は逆の意味で彼女は変わっていたのだから。 「そちらの方が、清楚で可愛らしいですね。見違えましたよ。うん」 私の言葉に顔を上げる深沢。 それは正直な感想だった。昨日の彼女とは180度違う見栄えは、営業をするに当たって、文句1つない上品さだ。 「あ、ありがとうございます?」 「なぜ聞くのですか。正直な感想なのだから喜びなさい。私はお世辞など言いません」 「あ、はい。ありがとうございます」 「私達がいなくなってもその可愛らしい姿でいて欲しいものですね」 その言葉に深沢はまた頭を下げると、部屋を去って行った。
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