第2章

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「皐月ちゃん、どう思う?」 「ふふ、さてどうでしょうね。悪い子ではない気がします」 「私もそう思うわ」 そんな事を話しながら、昨日の面談の続きの準備を始める新井さんと私。 ふと、違和感を覚えた。 「どうしたの?」 新井さんの問いに、なぜか答える事が出来ない。黙ったまま、部屋を見渡す私。 「皐月ちゃん?」 気のせい…な、気がしない。 「ちょっと、タバコ吸ってきます」 「え?ええ分かったわ」 部屋を出てすぐに私は走り出した。そして目的地の扉を勢いよく開ける。 「皐月さん?どうかしたのかい?」 そう言う上條部長は、突然の私の来訪に驚いた様子だ。少し息を切らした私は、上條部長をじっと見つめる。 「皐月さん?」
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