1人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「ただいま」
今週末に控えた取引先との商談に向けて、会社の資料をまとめていると一階から彼女の声が聞こえた。
「おかえり」
時計の短針がちょうど9を指しているのを確認して僕は一端資料を机に置き、一階へ降りる。
「遅かったんだね」
僕が玄関に顔出すと、彼女は丁度靴を並べ直しているところだった。
「ごめんなさい、会議が長引いちゃって」
「なに、君が謝ることはないさ」
「すぐにご飯の仕度をするわ。少し待ってて」
「ああ、部屋にいるから出来上がったら呼んでくれるかな?」
「うふふ、いいともー!、とは言わないわよ」
それを合図に、僕は再び部屋に戻った。
最初のコメントを投稿しよう!