十年前の悲劇

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「俺を、俺の家に帰せ」 「日本語、間違ってるよ」 はぁ? 「どういう意味だよ?」 「だって君は、たった今、地上から魔界に帰ってきたんだから」 コイツ、今なんて言った? 「魔界?」 「そう、魔界」 「ふざけんなっ!」 「別に、ふざけた覚えはないけどな?」 慧の怒りをやんわりとかわして颯真が言った。 「魔界なんてあるわけねぇだろ!」 「今更、なに言ってるんだよ。昨日、デューク倒しておいて」 デューク… やっぱり、あれは現実だったのか!? いや、そんな馬鹿な。 あんなんが現実であってたまるか。 俺は人間だぞ!? 「人間じゃない あなたは、我々と同じ魔人。」 「だぁかぁらぁ、」 慧が反論しようとした途端、梓の手から水が湧き出し龍の形に変形した。 「うっわぁ!」 どうなってんだよ! 「これが魔力。少しは信じてもらえたかな?」 …こんな事されたら信じるしかねぇだろ。 「はぁ、分かったよ。信じりゃいいんだろ」 「ありがとう」 「じゃ、信じたところで、色々と説明するが、なんか質問は?」 なんだ、そのアバウトな感じは。 説明する気ないだろ。 竜騎の態度に慧の顔がむっとなった。 「全部だ、何もかも初めから最後まで全て説明しろ」 「そうだね。全ての始まりは、今から16年前…」
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