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「俺を、俺の家に帰せ」
「日本語、間違ってるよ」
はぁ?
「どういう意味だよ?」
「だって君は、たった今、地上から魔界に帰ってきたんだから」
コイツ、今なんて言った?
「魔界?」
「そう、魔界」
「ふざけんなっ!」
「別に、ふざけた覚えはないけどな?」
慧の怒りをやんわりとかわして颯真が言った。
「魔界なんてあるわけねぇだろ!」
「今更、なに言ってるんだよ。昨日、デューク倒しておいて」
デューク…
やっぱり、あれは現実だったのか!?
いや、そんな馬鹿な。
あんなんが現実であってたまるか。
俺は人間だぞ!?
「人間じゃない
あなたは、我々と同じ魔人。」
「だぁかぁらぁ、」
慧が反論しようとした途端、梓の手から水が湧き出し龍の形に変形した。
「うっわぁ!」
どうなってんだよ!
「これが魔力。少しは信じてもらえたかな?」
…こんな事されたら信じるしかねぇだろ。
「はぁ、分かったよ。信じりゃいいんだろ」
「ありがとう」
「じゃ、信じたところで、色々と説明するが、なんか質問は?」
なんだ、そのアバウトな感じは。
説明する気ないだろ。
竜騎の態度に慧の顔がむっとなった。
「全部だ、何もかも初めから最後まで全て説明しろ」
「そうだね。全ての始まりは、今から16年前…」
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