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そんな時、
城中に3人の子供の泣き声が響いた。
「どうして、パパ行っちゃうの?」
「神の子を、国を、お前たちを守るために行くんだ」
「やだ、やだ、やだ、行っちゃだめ。」
神の子の仲間の父親達の出兵が決まってしまったのだ。
「どうして、戦争なんてあるの?」
「泣くな」
「う゛わぁぁぁあん」
その声は、もちろん神の子にも聞こえていた。
すでに、6歳だった神の子はすぐに言葉の意味を理解した。
自分の所為で皆が泣いている、 僕が何とかしなきゃ。
その思いが…
神の子の体内に秘められた力を爆発させた。
その力は剣へと変わり、次々に敵国を襲った。
敵国はボロボロになり、戦争どころではなくなった。
こうして、戦争は神の子の国の勝利で幕を閉じた。
…しかし、神の力は止まらなかった。
力はどんどん大きくなり、次第に自国まで襲うようになった。
力が大きくなりすぎて、神の子にさえ、操れなくなってしまったのだ。
このままでは、魔界が滅びてしまう。
そう考えた王は
優秀な部下と共に神の力を神の子の中に封じ込んでしまった。
そして、二度と同じことが起きぬよう、
神の子の記憶を消し去り、人間界へと追放したのだ。
16歳になったとき、全ての魔力が解放されるよう呪術をかけて…
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