十年前の悲劇

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そんな時、 城中に3人の子供の泣き声が響いた。 「どうして、パパ行っちゃうの?」 「神の子を、国を、お前たちを守るために行くんだ」 「やだ、やだ、やだ、行っちゃだめ。」 神の子の仲間の父親達の出兵が決まってしまったのだ。 「どうして、戦争なんてあるの?」 「泣くな」 「う゛わぁぁぁあん」 その声は、もちろん神の子にも聞こえていた。 すでに、6歳だった神の子はすぐに言葉の意味を理解した。 自分の所為で皆が泣いている、 僕が何とかしなきゃ。 その思いが… 神の子の体内に秘められた力を爆発させた。 その力は剣へと変わり、次々に敵国を襲った。 敵国はボロボロになり、戦争どころではなくなった。 こうして、戦争は神の子の国の勝利で幕を閉じた。 …しかし、神の力は止まらなかった。 力はどんどん大きくなり、次第に自国まで襲うようになった。 力が大きくなりすぎて、神の子にさえ、操れなくなってしまったのだ。 このままでは、魔界が滅びてしまう。 そう考えた王は 優秀な部下と共に神の力を神の子の中に封じ込んでしまった。 そして、二度と同じことが起きぬよう、 神の子の記憶を消し去り、人間界へと追放したのだ。 16歳になったとき、全ての魔力が解放されるよう呪術をかけて…
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