十年前の悲劇

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…ーー… 「つまり、その神の子が俺で、その愉快な仲間達がおまえ等って事だろ?」 慧が訊いた途端に3人は同時に片足をつき慧に向かって頭を下げた。 「この10年間、あなたの帰りを心待ちにしておりました。お帰りなさいませ、慧様」 なんだよ、急に… でも、待てよ。コイツ等が敵じゃないという確証はない。 デュークの仲間だったりして。 俺を騙しているとも考えられる。さっきの話だって作り話かもしれない。 「立てよ。まだ訊きたいことが山ほどある。教えてくれ」 「何?」 「まず1つ、同じ被害を繰り返さない為なら、どうして封印を解いたりするんだ?」 「…さぁ。王の嫡男だからじゃない?」 やっぱり、竜騎はテキトーだ。 宛にならないと思って、俺は肩をすくめて颯真と梓の方を見る。 「きっと、神の力を利用したかったのだろう。神の子自体が成長す、神の力を制御できるようになるからな」 でも、なんで16歳なんだ? 「魔界では16歳が人間界で言う成人と同じなんだ」 … コイツ、人の心読めんのか? まぁ、いいや
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