狩り

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生命のマナは不思議だ。 仲間の為に、自分の命の犠牲を厭わない。自身の存在よりも、種としての存続を優先させる。 ただそんな選択をしながらも、まだ生きようとしている俺は、マナの流れを受け入れながらも、その流れから脱却しようとしているのか。 ───いや、生きればまた、マナの流れ。輪廻に加わる事が出来る。 たとえ死んでも、その肉体は型成りを変えて、ウユキチの大地、その一部として輪廻の一端を担う存在で有りつづける。 どちらもマナの意思。 生や死と言う括りをする事が、そもそも間違いなのでは無いだろうか。 鼻に緑の匂いが通る。 目を開けば、変わらないウユキチの広大な地平が広がっているだろう。 朝露に濡れる草木。緑の葉音が擦れ合いながら、まばゆい光を奏でていく。 深く香る土の上で、生命と生命の営みが繰り返される。小高い岡の上では、じゃれあう若い家族の声が、暖かい風に乗り耳に留まる。 閉じた瞳の裏に、今も鮮明さを失う事無く映し出される情景は、青や緑の柔らかな淡い色彩を纏って、夢と現実の境界線を消してゆく。 夢うつつに、レムの家族を想い起こし、寝息が静かに旋律を唄う。 胸の鼓動を肌で確かに感じながら、自分もマナの一部である事を認識させてくれた。
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