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11点。
私に渡された紙には確かにそう書かれていた。
50点満点ではない。100点満点だ。
私が何が起こったか分からないような顔をしていると、先生が
「見ての通りだよ。」
と切ない言葉を放った。
世界の終わり。
力の入らない足でなんとかついた自分の席にへたりこむと、私は泣きたい気持ちでつくえに突っ伏した。
「あ…愛子ちゃん、大丈夫?」
優しげな声が心配そうに私に声をかける。
この子は千秋。学校一の秀才であり、私の家の左隣に住んでいる、お腹にいる時からの幼馴染。
可愛く、身長も低く、優しく、男子の憧れの的。
笑った時の八重歯とえくぼが、私はすごく好きだ。
しかし生憎今の私はとても大丈夫ではない。
うーうーと呻きながら、机に頭をこすりつけて首を振った。
千秋はどうしたらよいか分からない顔をして、ただ頭を撫でていた。
本当にかわいいな。
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