仲良しトリオ

2/3
前へ
/5ページ
次へ
11点。 私に渡された紙には確かにそう書かれていた。 50点満点ではない。100点満点だ。 私が何が起こったか分からないような顔をしていると、先生が 「見ての通りだよ。」 と切ない言葉を放った。 世界の終わり。 力の入らない足でなんとかついた自分の席にへたりこむと、私は泣きたい気持ちでつくえに突っ伏した。 「あ…愛子ちゃん、大丈夫?」 優しげな声が心配そうに私に声をかける。 この子は千秋。学校一の秀才であり、私の家の左隣に住んでいる、お腹にいる時からの幼馴染。 可愛く、身長も低く、優しく、男子の憧れの的。 笑った時の八重歯とえくぼが、私はすごく好きだ。 しかし生憎今の私はとても大丈夫ではない。 うーうーと呻きながら、机に頭をこすりつけて首を振った。 千秋はどうしたらよいか分からない顔をして、ただ頭を撫でていた。 本当にかわいいな。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加