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「でも多分これじゃ補習あるから、夏休みに三人で行こうって言ってた海、行けなくなっちゃうね。」
撫でる手を止めて、ポツリと千秋がつぶやく。
ほしゅう?
忘れていた。このような成績をとっておいて、母に叱られるだけで済むわけがない。
あんなに楽しみにしてたイベントがなくなる。
どうしよう。
「隼人!!あんた…点数は!?」
大慌てで振り返り、私の後ろの席で石仏と化している隼人の答案用紙をみる。
9点。ははぁん。
「勝った。」
優越感に浸りながら千秋に耳打ちすると隼人はおい!と声を裏返して怒りながら私の高く結わえた髪をぐいと引っ張った。いたっ。
この馬鹿は隼人。私の右隣の家に住んでるまたまた幼馴染。
サッカーバカ。
成績では私とよきライバル。
大してブサイクでもなく、だからと言って決してイケメンでもないから彼女がいたことはない。はず。
「うるせーんだよてめぇ!お前もどうせ補習だろーが!」
それをいうな馬鹿野郎。
夏休みを学校で勉強…ありえない。
普段の授業を夏休みばりに遊んでいた罰だろうか。
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