前夜

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「ん~~~…」 私は迷う。 「ん~~~~…」 ベッドの上に並べられたあるモノを吟味し、ときどき大きな鏡の前で合わせてみる。 「こっちの方がお気に入りだけど…でもこっちもいいなぁ~…」 読者のみなさん、私が何に迷っているか分かる? 私、深井 愛は今、明日着ていく服に迷っています!! 熱くなってごめんなさい、 そして私のフルネームをここで初めて発表してごめんなさい。 今回は、私が語り手ということで、話を進めていくみたい。 正直言うと、いろいろ不安なんだけど…。 一生懸命やるわ、だって明日は…初デートなんだから!! そう、初デート。お互い人生初という意味でも初デートだし、 付き合い始めてから初めてのデートという意味でもある。 長い道のりだったけど、とうとうたどり着いた。 2月14日に付き合い始めてから1か月たったあの日、 ホワイトデーにバレンタインのお返しをもらったときに彼からデートに誘われた。 1か月という期間でデートまでの道のりが長かったことを証明できると思う。 ちなみにデートプランがどうのこうのという話を友達にしたら、 「ちょっと古いような気もするね…」 と友人Aに言われ、 「最近は待ち合わせ場所で集合してから、 彼氏が彼女にどこへ行きたいか聞いて、 スマホとかでパパっと調べてから、行く場所を決めるらしいよ」 と友人Bに言われた。 ついでに集合場所が駅前にある時計台と言うと大爆笑だった。 「昔のラブコメみたい。」 「昭和の恋愛映画みたい」 …ちょっとショックだった。 でもそれは仕方ない。だって執筆者がデートをしたことがないんだから。 集合してから彼女に行きたい場所を聞いて、 スマホでスパパっと調べてから出かけた経験なんてないんだって。 それに執筆者はまだガラケーだし。 必然的にこの作品が執筆者の想像する 「デートって、こんな感じか…?」 というモノにアホなことを入れることになるので、読者のみなさん、ご了承ください。
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