前夜

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で、次は放課後。 私が教室に残って委員長の雑務でクラスの日誌を書いていたとき、 ふと顔をあげたら彼が自分の席に座って何かに夢中になっていたの。 思わず、「何してるの?」って聞いちゃった。 そしたら「ん?いや、気にしないで。あ、そうそう。教室の戸締りは僕がやっておくよ。」 と言われたの。もう訳が分からなかった。 そのときは、動揺を隠すために素っ気ない言葉を返して私は教室から出た。 それからだね、彼のことが頭から離れなくなったのは。 次の日から、少し早く学校について、クラスのみんなが来るまでおしゃべりすることになった。 え?どうしてって言われても…。 彼が朝、職員室へ鍵を取りに行くと言っても、もし彼が寝坊なんかをした場合、 責められるのは私だし、彼がやってくれるとはいえ、それに甘えるのはよくないと思って、 一応、委員長が学校行く時間には毎日行っているからよ。 彼に対する疑問を解消すべく、彼にいろいろと質問することをした私は毎朝積極的に話かけた。 「おはよう」っていつも私から声をかけるの。 それは、付き合っている今でも変わらないのだけれど。 まず、私は何をそんなにいつも夢中になってしているのかを聞いてみた。 そして、彼は「モンハン」と答えた。 まさかのゲーム。校則違反…その言葉がすぐに私の頭に浮かんだ。 ただただ驚いたわ。クラスの委員長に堂々と校則違反を宣言したことにね。 「それ、先生に見つかったら没収だよ?」という忠告をすると彼は、 「…まぁ、その…見つからないようにします」と気まずそうに言った。 「それ以前に持ってこないという選択肢は?」 「ない」 何故か彼の意志は固く、どうしてそんなに意志が固いのか、私には謎だった。 一つの謎を解決するとまた新しい謎が出てくる。 本当に、彼という人間が面白くて…彼のことばかり考えていた。 そして、それが好きという感情に変わって、恋になったのは、2学期にあったある出来事からだった。
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