前夜

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毎年9月に行われる球技大会。 うちの高校の伝統みたいなもので、この手の行事には学校も力を入れて、 生徒もすごく熱くなって盛り上がる。 私も、例外なくバスケに出場してすごく熱くなっていた。 そのバスケの試合は展開がものすごいハイペース、それでいて点差は全く広がらない。 まさに、手に汗握る試合だった。 点差が全く広がらないまま、第2Qが終わろうという時間だった。 私は、味方が外したシュートを取るためにジャンプして、ボールを取り、 着地したときに、相手選手の足を誤って踏んでしまった。 優しい人だったからすぐに謝ると許してくれたけど、問題は私の足の方で、 足を踏んでしまったとき、変な感じに捻ってしまった。 最初は全然大丈夫だったのだけれど、前半が終わり、後半をプレーしているうちに、 少しずつ痛みだした。痛みを訴えて、途中退場…。 少しだけ、そんな考えが浮かんだけどそうはしなかった。 私自身、あの試合をすごく楽しんでいたし、 なにより、途中退場するのが悔しくて、試合に勝ちたかった。 そして、なんとか勝って、試合が終わったころ、私の足首は大きく腫れていた。 でも、次の試合に出たい私はそのことをみんなに内緒にしていた。 だけど、彼だけは…私の怪我に気付いていた。
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