G-Frontia - 君が舞い散る花びらを -

◇-PHASE.#00『プロローグ』

　
――Ｌ２コロニー群フロンティアⅡ第１コロニー『グレイデル』内居住区バルノー家邸宅大広間

A.C.2430
Decenber.24
23:32

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……カチャリ

クリスマスのシーズンにしては生暖かい空気漂う大広間、無機質に銃創が回転する音が室内に響く。

「残念だよ。カイル、君だけは分かってくれると思ったのに」

その音に振り返った漆黒の髪と瞳を持つ青年は彼の眼前で彼に銃を向けるカイルと呼んだ金髪碧眼の青年にそう告げる。

「やめるんだリア、これ以上犠牲を出すな」

カイル＝メルレインはそう叫ぶと手に持つ銃の銃身を自身がリアと呼んだ青年、リアノーク＝バルノーに向けた。

「人は神なのか？」

再びカイルが叫ぶ。
その瞬間、カイルの持つ銃は微かにだがその照準をぶらす。

金髪の青年カイルにとって眼前に聳え立ち、すべてを外界から遮断するように漆黒のマントで体を覆ったその瞳に無機質な笑みを浮かべているリアノークは今最も忌むべき戦友であり、友人である。

二人は同じ年くらいだろうか。背格好から体格までその体躯はよく似ている。